●桜木リョウ(サクラギ|綾)
生条高等学校(セイジョウ)に通う能力保持者。男性。16歳。
豪胆かつ臆病で、照れ屋かつ大胆。人見知りはするが打ち解けるのも早く、少々馴れ馴れしい。
発症能力は「生成系統創造種光糸型」
●冬原シズカ(フユハラ|閑)
リョウのアタッチメント。男性。享年18歳。外見年齢は17~19歳。
少々堅苦しい話し方をするが、コミュニケーションを好み、よくリョウに触れる。
健全を重んじ、アタッチメントらしく振る舞おうとする優等生。
●伊吹メイ(イブキ|芽依)
満和中学校(ミツワ)に通う能力保持者。女性。15歳。
人より秀でることも劣ることも嫌がる。気を許した相手にはズボラで癇癪持ちな本性を見せる。
発症能力は「生成系統模造種白鋼型」
●荻坂ユウヒ(オギサカ|夕枇)
メイのアタッチメント。男性。享年20歳。外見年齢は20歳。
他者に触れることを怖がり、メイとの距離感を測り倦ねていたが、徐々に打ち解けていく。
少々メイを甘やかしている。
●久堂トモエ(クドウ|朋衣)
回優大学附属中学校(カイユウ)に通う能力保持者。女性。14歳。
無邪気で素直。他者と己をこよなく愛する。思考を言語化することが苦手。
発症能力は「???」
●乙守アヤハ(オツモリ|彩葉)
トモエのアタッチメント。女性。享年?歳。外見年齢は16~18歳。
人を突き放すような、アタッチメントにあるまじき話し方をする。
トモエを愛しきれないことに劣等感を覚えているが、なにかが邪魔をしている。
●黒沼イオリ(クロヌマ|庵)
アタッチメント施設員。男性。?歳。
真顔かつ渋い声で他者をからかう。ガラクタいじりが趣味。
元能力保持者。発症能力は「変化系統交換種天秤型」
●辻村キョウカ(ツジムラ|京花)
共用型アタッチメント。女性。享年93歳。外見年齢は20歳。
明るく親しみやすい。イオリと仲の良いリョウをよくからかっている。
かつてイオリのアタッチメントだったが、能力終期後に共用型に移行した。
●仙川ミコト(センカワ|命)
アタッチメント施設長。女性。78歳。
人前には滅多に出ないが、施設内を常に見守っている。
元能力保持者。
●神部ハルヤ(カンベ|晴椰)
共用型アタッチメント。男性。享年85歳。外見年齢は20歳。
かつてミコトのアタッチメントだったが、能力終期後に共用型に移行した。
●志良ハジメ(シラ|哉)
アタッチメント施設に隔離されている不健全者。男性。17歳。
相手を試すような言動を繰り返し、反応を愉しんでいる。
発症能力は「変化系統上書種連想型」
●久堂ソウマ(クドウ|宗磨)
生命保安管理局員。男性。30歳だが若く見られる。
トモエの兄。サボり癖があり、よく仕事中にトモエと会っている。
常に笑顔を絶やさない、自称「優しいお兄さん」
●桐山イサミ(キリヤマ|勇)
生命保安管理局員。男性。28歳。
上司であるソウマのストッパー。常に胃を痛めている。
常識人ではあるが、ときどき暴走しがち。
●宝田ルイ(タカラダ|瑠生)
生命保安管理局員。女性。22歳。
新人だが周りに遠慮しない。かなりのマイペース。
上司であるソウマを窘めながらもよく一緒にふざけている。
●T・M
かつて殺傷事件を引き起こしたアタッチメント。女性。享年34歳。
非常に寡黙で従順、感情をあまり出さない個体だった。
事件後に回収、解体された。名称や外見といった情報は一部の生命保安管理局員しか知らない 。
○アタッチメント
非常に精巧なヒト型の機械。生きていたころのヒトの精神を持つ、造られた存在。能力保持者の所有物。
どの個体も生前は能力保持者であり、生前の自然脳のバックアップデータとサポートコンピュータによって思考する。
疑似蛋白質でできた人工皮膚と人工筋組織に覆われており、ヒトと外見は同一であるが、内部の精密機器を守るための頑丈な骨格を持つ。
硬質な黒のチョーカーや断熱遮光白外套、背負っている黒い展開箱によってヒトと区別されている。
性格は個体によって異なるが、組み込まれたプログラムによってどの個体も所有者に対し奉仕欲求を抱いている。
その役割は能力保持者の監視、負のストレスの軽減、殺処分。能力保持者にオキシトシンを分泌させ、負のストレスによる能力暴走を食い止める。
所有者と波長の合う個体が選ばれるため、「運命の相手」とも呼ばれる。
○能力保持者|所有者
なんらかの要因で特殊な能力を発現できるようになったヒト。
思春期や精神が不安定な時期に発現するため、未成年の能力保持者が多い。遺伝や感染はせず、大人になるにつれて自然消滅していくが、例外もある。
負のストレスによって能力制御が困難になり、ドーパミン過剰に陥ると能力が意思に反して発現して膨張を繰り返し、制御不能の暴走状態となる。
現在「生成系統」「変化系統」「削除系統」の三系統が確認されている。それぞれに能力の性質を表す三つの「種」が存在しており、それらは個人の性格に基づいた「型」によって発現の仕方が異なってくる。
ヒトを脅かす能力が多いため、一人に一体波長の合うアタッチメントが選出され、能力が消滅するまで常に二人で行動することとなる。波長の合うアタッチメントが発見されなかった場合、社会から不健全と見なされ、健全な人格になるよう施設で教育を受ける。「健全な能力保持者は孤独を知らない」という言葉の所以がそれである。
○不健全者(ふけんぜんしゃ)
適合するアタッチメントが見つからない、もしくは能力の制御がままならない等の理由で健全ではないと隔離されている能力保持者。
○愛着機構(あいちゃくきこう)
愛と監視を司る最重要なメカニズム。愛着機構に所有者の基本情報をインストールし、所有者設定を完了すると、アタッチメントは無条件に所有者に奉仕欲求と深い愛情を抱く。ここで所有者の肉体と精神の管理しており、脈拍や神経伝達物質、体内物質などを観測し、異常が見られた際に心のケアをおこなう。ブロック機能も搭載されているため、所有者に過剰な暴力を振るおうとした瞬間に、信号が遮断され身動きがとれなくなる。
排除機能と対をなす、アタッチメントの本質。
○排除機能(はいじょきのう)
社会に害をなす存在に成り下がった能力保持者を殺処分するための仕組み。能力暴走によって人格改変、肉体変化まで至った能力保持者を修復不可能と認識した瞬間発動する。起動するとともにアタッチメントの人格や思考が遮断され、愛着機構が停止される。能力保持者の能力修復、もしくは死亡を確認するまで解除されない。それまでブロックされていた「所有者への暴力」が可能となり、普段決して開かれない黒い展開箱からそれぞれ断罪、制裁、懲罰の名を冠する武器を解放する。
愛着機構と対をなす、アタッチメントの本質。
○能力終期(のうりょくしゅうき)
能力が消失するまでの期間または瞬間。能力終期を迎えた能力保持者とアタチメントは解体、共用、買取の内一つを選択する。優秀かつ適正のあるアタッチメント、かつ本人の同意がある場合のみ共用型アタッチメントとして社会で稼働する。
○付与性格(ふよせいかく)
能力に影響され新たに発現した能力保持者の性格。
生成系統は傲慢、変化系統はその場しのぎ、削除系統は他責思考の性格が現れる。
○能力熱(のうりょくねつ)
具現化、展開する前の能力の熱が溜まることよって起こる病。能力を発散しないことにより発症する滞留型と、本人も無自覚のストレス等で発症する突発型がある。症状は主に発熱、発汗、咽頭痛、関節痛。能力の体外放出によって治まるが、対応を誤れば体内放出、体内展開、または暴走に繋がる。
○暴走
能力の制御が不可能になること。
能力膨張、意識混濁、人格変化、人間性剥離・肉体変化と症状がステージごとに分けられており、最終ステージに至った場合、ヒトデナシとして人権を剥奪され、アタッチメントによって殺処分される。
○体内放出
能力熱が重症化した状態。能力に展開する前の熱が体内に沈殿、飽和すること。能力保持者は軽度の見当識障害を起こし、能力の乱れを自覚できないため、アタッチメント、もしくは能力観測センターでの早期発見が重要となる。
回復方法はストレスにより暴走している能力熱を薬や休養で一時的に押さえ込み、体外放出への流れを整えた上での発散。
○体内展開
体内放出された能力熱が体外に放出されずに具現化すること。系統によって症状は異なるが、いずれも能力保持者を体内から破壊し、死に至らしめる。
○喪失痛(そうしつつう)
能力保持者とアタッチメントが引き剥がされた際に生じる胸部の痛み。パニック状態を引き起こすと能力を制御できなくなる。
○妄想喪失痛(もうそうそうしつつう)
アタッチメントがいるにも関わらず、「もしも失ってしまったら」を想像することにより生じる胸部の痛み。感受性が高い能力保持者が陥りやすい。
○能力観測センター
能力が発症した能力保持者が必ず受診する機関。ここで能力の定義付けが行われる。
○生命保安管理局(せいめいほあんかんりきょく)
能力保持者のストレス悪化・倫理観欠如による暴走を防ぐため、心身に悪影響を及ぼす暴力的、非人道的、非倫理的な映像、表現、文献等の検査・取締・検閲等を行う機関。職員によっては、施設に保管されている「アタッチメント候補の自然脳のバックアップデータ」の視聴・閲覧が許されている。「メーホくん」というマスコットキャラクターがいる。
⚠本作は、第一話から順番に書いておりません。
□トモエとアヤハ
□リョウとシズカ
□メイとユウヒ
□その他
ヘドロの感染
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